フラグラントガーデン “香る庭” no.5
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11、芳香性の植物(10)
チョコレートコスモス
真夏は、一休みするものの、初夏から晩秋(6~7、9~11月)まで咲く花の形は、正にコスモスで、色は濃い赤紫で、花茎が長く伸びて咲きます。チョコレートとバニラが混じったような、甘い香りがする花を咲かせるコスモスです。葉の形はコスモスらしくなく、葉に切れこみが有りません。
メキシコ原産のキク科の半耐寒性多年草。日当たりと水はけのよい場所を好む。根が塊茎状になり、暖地では地上部を大部分枯らして冬を越します。
アニスヒソップ(ジャイアントヒソップ)
赤紫や青紫の小花を穂状に咲かせ、葉に香りを持つハーブですが、花が美しいので花壇にもよく用いられています。シソ科・カワミドリ属の多年草で、原産地は北アメリカ、草丈は60~80cmに育ちます。対生する葉は緩い三角形で先端が尖り、縁にギザギザが入ります。セリ科のアニスに香りが似ていることからアニスヒソップの名がありますが、香りはミントにも近い気がします。5~10月と、穂の部分が長く残るので花もちがよく、育てやすいハーブです。アニスヒソップの花や葉は、咳止めや疲労回復としてハーブティーに利用します。また、サラダの風味付けにも利用します。アメリカ先住民の一部では、咳止めの薬として使用されることがあるようです。夏に、穂状となって咲く香りの良い花は、ミツバチも大好物なので、養蜂植物とも言われる。寒さに強く丈夫なので、日当たりのよい場所を選んで、水はけのよい土に植えつけると、元気に育ちます。夏の間は乾燥させないように、十分に水を与えましょう。
ハナハッカ(マジョラム、オレガノ)
シソ科、ハナハッカ属の多年草でヨーロッパから西アジアにかけて分布する‘オレガノ’と‘マジョラム’が含まれます。‘山の喜び’という意味を持つ丈夫でたくさんの花を咲かせる野生味にあふれる耐寒性多年草です。茎葉にはミントに似た爽やかな香りがあり、肉料理やトマト料理、ピザのトピング、ミートソースなどの風味づけとされる。新鮮な葉よりも、乾燥した葉のほうが強い。日当たりがよい場所を好みます。加えて多湿に弱いのでできるだけ風通しの良い場所で育てます。高温多湿に弱いので、葉が密生したら、風通しを良くするためと収穫を兼ねて、梅雨に入る前に枝を刈り込みましょう。まだ苗の時期に枝先を摘むとワキから芽が出てきて枝数が増え、ボリュームのある株になります。
オレガノ(ワイルドマジョラム)
高さ50~90cm。清涼感のある香りをもち、トマトやチーズとの相性が良く、イタリア料理などの香辛料として好んで利用される。桃色、赤褐色の花が房状に咲き、蜜蜂を呼ぶ。
こぼれた種からでも良く増える元気で丈夫な草です。耐寒性に強い。変種に、白花タイプの‘オレガノ・ホワイト’がある。
スイートマジョラム
高さ30~60cm。薄い毛に覆われた白灰緑色の小さな葉と、甘い香りを持つ白い小花を咲かせる。やや寒さに弱く、半耐寒性で、霜に当たると葉が傷んでしまいます。料理の他、ハーブピローや香辛料として使われます。
ポットマジョラム
高さ約40cm。スイートマジョラムを少し矮性にして、耐寒性もあり、寒い地方で、スイートマジョラムの代用とされる種類で、利用法も準ずる。
コンパクトオレガノ
高さ15cm程。葉は、濃緑色で細く硬め。触れると甘い香りがあります。小さな赤紫色の小花が集まって咲きます。花の付いた茎の先端から、芳香療法用の精油を採ります。抗菌・ウィルス作用があります。
カラミンサ(カラミント)
カラミンサは、シソ科の多年草で全草にミントの爽快な香りがある。初夏から秋まで、花径3cmほどで、白、ピンク、淡紫色の小さな花が柔らかい茎に群がって咲き、開花期間が長い。カラミントはミントの近縁種で、ミントに似た香りがします。小さな花がたくさん咲き日当たりのよい場所でよく育ち、水はけのよい土が向いています。過湿は苦手なので、梅雨の前に枝を切ったりして風通しを良くすると良い。冬は地上部が枯れますが、戸外でも冬を越せます。15~50cmに育ち、栽培は極めて容易で、こぼれダネでもどんどん増え丈夫で育て易いハーブです。花は、切り花やポプリでも楽しめます。葉は、ハーブティーとしても利用できますが、妊婦さんは避けたほうがよいようです。
代表種のカラミンサ・ネペタ(レッサーカラミンサ)は、ごくごく薄い紫色の小さな花を初夏から秋まで咲かせ、暑さ寒さにも強い手間のかからない育て易いハーブです。全草に薄い毛があり、卵の形をした葉には強いミントの芳香があります。高さは30~50cmで、清楚な姿が美しい。近縁種のキャットミントは、青紫の花を穂状に長期間咲かせる丈夫な花です。背丈35~60cm、横幅30~60cm。ミントの名前のとおり特有(マツタケやシナモンぽい)の香りを放ちます。
シソ
インド、ミャンマー、中国、日本を原産地にもつシソ科・シソ属の一年草で、草丈は60~100cmになる。穂状につく花は白色、または紫色。秋に種が採れる。緑葉の‘アオジソ’。
濃紫葉の‘アカジソ’。葉に細かなシワの入った‘チリメンジソ’がある。葉には食欲増進、殺菌の効果がある。葉は天ぷらや塩漬けにして梅漬けとして使ったり、シソジュースも美味い。葉や花穂は、お刺身に、そうめん・冷や麦、さらに冷奴、お茶漬け、果実は佃煮に、といろいろな場面で使われています。実はシソは日本でしか料理に使われない、まさに日本の食材なのです。そんな日本料理の名脇役の馴染みのハーブです。また、体内でEPAに変化するα-リノレン酸が含まれています。EPAには免疫を正常にするはたらきがあり、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー症状を緩和してくれる効果があります。
しかし、シソの香りをどう表現したらよいか困ってしまいます。ペリラアルデヒドという特徴的な香気成分の香りとしておきます。
ハマユウ(ハマオモト(浜木綿)、クリナム)Crinum asiaticum ‘japonicum’
ヒガンバナ科・クリナム属の大型の球根植物です。紀伊半島南部、四国、九州など西日本の海岸を中心に自生する。花色は白で、花びらは細長い。主な開花期は夏で、夜間に良い香りを放ちます。草丈は30cm-80cmになり、開花期は、7月~9月に葉の間から、約50~70cmの花茎を伸ばし、先端に香りの良い白色の花を10~20ほどつける。
日当たりの良い場所で管理してください。乾燥に弱いので、鉢土の表面が乾いたら鉢底から水がでるくらいたっぷりと水を与えてください。生育適温は15℃以上ですが、冬期は10度以下にならないように気をつけてください。ヒガンバナと同じくリコリンなどのアルカロイドを含んだ有毒植物です。この有毒のハマユウの葉を平気で食べるハマオモトヨトウと呼ばれる蛾の幼虫がいます。この幼虫に葉っぱを全部食べられて茎だけ残ったのを見ることがあります。
ポリジ
ムラサキ科・ルリジシャ属の一年草で、高さ30~100cmになります。直立した太い中空の茎に、卵形の大きな葉を互生し、夏の間中、咲き始めは桃色で、やがて青い星形の花がうつむきかげんに咲くハーブで、茎葉にキュウリの香りがある。園芸種に白花種もある。
花は鍔から外して、そのままサラダ、デザート、飲み物、ワインに、砂糖菓子にして、ケーキに飾りつけます。葉も同様に冷たい飲み物に加えます。キュウリの香りは、蜂蜜やレモンと合います。若葉のうちに摘んでサラダにします。大きな葉は茹でて詰め物にしたり揚げ物にします。葉は入浴剤としても。トマトのそばに植えると害虫を防ぎます。花にはポタシウムという成分を含み、憂鬱を取り除くといわれます。産毛に覆われた蕾も愛らしくて、花も次々と咲くので、観賞価値もある。日当たりと水はけの良い場所で育てます。
葉は随時摘みますが、花は咲いたばかりのものを摘み取ります。
マーシュマロウ(ビロードアオイ、ウスベニタチアオイ)
他にはないフワフワとした感触が堪らない、お菓子のマシュマロは、このマーシュマロウの根からとれるデンプンから作られていました。元来は、喉の痛みを緩和するために作られた食品ですが、現在は使われていませんので、効能の程は…?
アオイ科の高さ1~2mぐらいになる多年草です。マシューマロウの茎はよく分枝して立ち上がり、葉はビロードのような感触の綿毛で覆われ、掌状で浅裂しています。花は葉のつけ根付近に、直径3cmほどのピンクがかった白い花を6~9月頃に咲かせ、ほのかに香ります。マロウの仲間の中では、薬効が最もすぐれていると言われており、気管支炎や去痰、咳止めなどに薬用として古くから利用されて来ました。乾燥させた葉や、カットして乾燥させた根茎をティーにして飲めば、咳止めや、気管支炎、のどの痛みに効くといわれています。花はフレッシュのままティーやサラダにします。花は、1日だけと短いので、その日に収穫し保存するならドライにします。ハーブバスや、うがい薬としても利用できます。花は生のままサラダに混ぜたりして使います。また、花でいれるお茶の水色はとても美しく、レモンスライスを浮かべると、濃い青色が一瞬で変化してピンク色となるので、見た目も楽しむことができます。
日当たりの良い場所を好みます。マーシュマロウのマーシュは、湿地という意味だそうです。湿り気のある土が適しています。湿地性の植物なので水切れに弱い。ただ、高温多湿を嫌うため、真夏の水のやり過ぎは禁物。株元をマルチングしておくとよい。耐寒性は強いが、冬は枯れ枝をカットして、根の廻りをマルチングしておこう。
フェンネル(ウィキョウ、スイートフェンネル)
地中海沿岸地域原産のセリ科の多年草で、細かい糸状の葉が羽毛のように広がり、高さは1~2mにもなる。全草に強い香りがあり、その香りと黄色の花が胃腸にとても良いエネルギーを与えてくれます。茎葉を陰干ししたものを袋に入れて浴剤に。フェンネルティーは消化不良や胸焼けに。無数の細くやわらかな葉が広がり、見た目はディルとよく似ている。この葉や茎、株元をヨーロッパでは生のままサラダに入れて食べることもある。
日当たりと水はけの良い場所を好み、腐葉土などを含んだ肥沃な土が良い。
ドクダミ
どちらかと言うと、嫌われ者のドクダミですが、別名に‘十薬’という名を持つハーブです。北海道の南部から本州、四国まで日本全土の陰地、湿地に普通に自生する多年草で、東アジアに広く分布しています。ドクダミの名前の由来は、ドクダミの生の葉は全草に特有の臭気があるために、何かの毒が入っているのではと、ドクダメ(毒溜め)と呼ばれるようになり、これからドクダミになったといわれています。
生のドクダミ葉には葉の臭いの、デカノイルアセトアルデヒドやラウリールアルデヒドが含まれていて、これは、乾燥すると成分が変化をして無臭になります。ドクダミの臭みは、高熱により消失しますので、塩ゆでして水でさらしてから調理します。てんぷら、味噌とみりんであえても食べられますが、美味しいとは言えません。ドクダミ茶はあまりにも有名。また、この臭いの成分には強い抗菌性や抗かび性がありますので、生の葉を水虫の患部にすり込めば水虫菌の発育を阻止して、効き目があるとされます。生の葉を揉んで柔らかくしてオデキに当てると吸出しの効果があります。庭仕事で虫に刺されたら、ドクダミの葉を揉んで汁を塗っておくと殺菌作用で効き目があります。乾燥した葉を適量風呂に入れると、あせも、湿疹、アトピーなどにも効果がある。
その他、ドクダミには、血圧を下げ、殺菌作用があり、蓄膿症を改善、利尿作用で便秘の改善、フラボン成分は細胞組織を保護、血液循環の改善、神経痛を改善、動脈硬化、高血圧などに効果があるとされます。
中央の黄色い花と、それを囲む純白の苞が花びらのように見える。濃緑色の葉との対照がとても綺麗だと思うのは、私だけだろうか。園芸種に、八重咲きの花を持つものがあります。
初めて八重の花を見た時は、感激し、お願いして分けていただいて持ち帰り、植木鉢に植えてあります。毎年、綺麗な花を咲かせてくれています。
メドゥスイート(クイーンオブザメドウ、セイヨウナツユキソウ)
柔らかい香りと、優しい姿の、このメドゥスイートから、アスピリンの原料となる成分が発見され、現在は科学合成によってアスピリンが作られています。人は植物から多大な知恵を授けられていますが、英名で「草原の女王」と呼ばれるにふさわしい、優しく強い植物です。和名は「セイヨウナツユキソウ」。
草丈1mを越すバラ科の多年草。葉と花に、アーモンドエッセンスのような甘い香りがあります。クリーム色の小花を、ふわふわと密集させた集合花で、6~8月頃咲く。花は乾燥させると、香りがより強くなります。かつては、香りを有する植物として、床に敷かれて利用されていたこともあるそうです。利用されるのは、メドゥスィートの花および葉部となります。メドゥスイート茶は香りがよもぎに似ていて飲みやすく、リウマチや、下痢・あるいは腹痛といった症状を和らげます。ホットで飲むと発汗作用があり熱をおさえるのに役立ちます。作用が穏やかで子どもにも安心して飲ませることができます。花のつぼみにはアスピリンの原料になっている抗炎症作用に優れているサリチル酸という物質が含まれていますので、解熱作用、殺菌作用、利尿作用、鎮痛作用、抗炎症作用、発汗作用、収斂作用、消化促進作用など。また、リウマチなどの症状も軽減させると言われています。その他、胃酸過多を緩和する働きなどもあるとされています。尚、アスピリンに対してアレルギー反応を示す方は、その利用を控えましょう。
収穫は、花が咲き始めたら、全草を刈り取り、乾燥して保存します。
日当たりから半日陰を好みます。乾燥は苦手で、適度の湿気を好みます。冬は落葉するので短く剪定して春を待ちます。
12、フレグラントガーデンの計画
香りの植物をご紹介してきましたが、意外とたくさんあるものです。植物にとっては基本的に、花粉を運んでもらうための昆虫を呼び寄せるのが目的です。この最重要課題のために、植物は芳香性の分子を、そのために作っている訳です。特定の昆虫を呼び寄せるために、花の香りの種類と季節と時間とまでを遺伝子に組み込んで、香りの分子を作っています。数え切れないほど多数の植物と動物が、それぞれを利用するために(助け合うために)、それぞれ、異なった遺伝子を持ち合い、共生という仕組みをこの地球上に作り上げている。何と、素晴らしい仕組みだろうか。
動くことのできない植物が物理的な方法で、自己防衛する様は、バラやサボテンに見られるようなトゲは食害する敵が容易に近づくことを拒み、厚い樹皮は穿孔虫が入り込むのを防ぎ、葉の表面のワックスは病原菌の侵入を拒むのに役立っている。このような物理的な事例は想像の域にあるが、科学的な方法での自己防衛方法については、最近になって明らかになってきた。科学的な防御法としては、昆虫の嫌がる物質を放出して害虫を追い払ったり、好みに合わない成分を葉に蓄え虫の摂食を抑える。食害する昆虫とのライフサイクルをずらすことによって摂食による被害を防いでいるものもある。また、アセビのように有毒物質を備えて摂食から身を守るものや、抗菌性物質を蓄えて病原菌の浸入を防いだりすることも植物の常套手段である。その武器ともいえるものが、植物の作り出す香りをはじめとした抽出成分である。
植物の備えている香りや抗菌成分などの、様々な抽出成分は、生き残る為に必要な成分だということです。植物は勿論、動物も含めて、生命体には無駄なものは何も無いと聞いたことがある。備えているものには、それなりにキチンとした存在理由があるということだ。生き残るためには、余分なものを備える余裕は無いということでもある。
一度、その場所に根を下ろしたら、動くことのできない植物にとって、葉を食べる害虫や、身体を侵食する病原菌やウィルスが飛んで来ても、ただ黙っているように思われていた植物は、実は多様な武器を持ち、敵から身を守っている。或いは、自分のテリトリーを確保している。その武器としての役割を果たしているのが、香りの成分を含めた抽出成分であるという大変興味深い事例も発表されている。
ユーカリの部分で、少し触れましたが、ユーカリの林には下草や潅木がほとんど生えないことをご存知だろうか。これは、ユーカリの葉から他の植物の発芽・成長を抑制し他の植物の浸入を阻止する抽出成分を大気中に放出し、地上に蓄積・濃縮され、自分だけは繁殖していく。ユーカリの他、赤松やセイタカアワダチソウ、ヒガンバナ、などがあり、このような作用をアレロパシーという。郊外の空き地によく見られる光景だが、まず1年生のブタクサが生え、それを被うように次の年には多年草のセイタカアワダチソウが生え、一面を被うように繁殖する。しかし、それが何時までも続くわけではなく、セイタカアワダチソウは数年もすれば、自分の分泌する他感物質で矮小化し、次に紫の小さく可憐な花を咲かせるクズの葉が所狭しと繁殖する。このアレロパシーという作用は植物生態系のコントロールにも繋がっている。つまり、植物が他の植物の発芽・生長を抑える他感物質を大気中に放出、或いは土中に分泌しながら自分の繁殖範囲を広げていくが、時にはその他感物質は自分と同じ種類の植物にも害を及ぼす。同じ仲間でも自分のテリトロー内に繁殖しすぎれば自分の生存も危ない。そこで、自らが同種の植物の発芽・成長を抑える物質を出して繁殖しすぎる仲間を制御しているのである。限られた土中成分や繁殖域を上手に利用するための事故防衛の策ともいえる。このような現象は自然生態系の中での植物の遷移や忌地(イヤチ)現象にも大きく関わっている。
さらに、植物は単に自己防衛のためだけに抽出成分を使用しているわけではない。他の個体との情報伝達手段としても抽出成分を使用する。害虫に食害されている木が隣接する木に害虫の襲来を、揮発性物資を介して通知する。この通知を受けた隣接の木は、事前に害虫の嫌いな摂食阻害物質を蓄える。細菌やウィルス、カビなどに感染するとC6青葉アルデヒドやサリチル酸メチルを、虫に葉を食べられるとジャスミン酸エステルやアルデヒド、ケトン、テンペンを、機械的にむしられると青葉アルコールなど緑の香りを放出して周囲の同じ仲間に警戒信号を送ります。土壌微生物の発芽も植物の香りが促進します。
興味深い事例に、植物と害虫とその害虫の天敵の3者の関係が確認されています。体長が0.8mm程のナミハダニという小さなダニがいます。ナミハダニは農作物を食い尽くす困った害虫で、1ヶ月に3万匹も子どもを生みます。このマミハダニには、やはり体長が0.8mm程で1ヶ月に12万匹もの子孫を残す赤いダニのチリカブリダニという天敵がいます。このチリカブリダニがナミハダニのコロニーに侵入すると、コロニー内のナミハダニは完全に食い尽くされます。したがって、植物の立場からはチリカブリダニは非常に頼もしいボディーガードになります。一方、チリカブリダニはナミハダニしか食べないので、ナミハダニは生存に不可欠です。マメ科のリママメという植物は、ナミハダニの食害を受けるとSOSの香りを放出します。すると、SOS信号を受けた仲間のリママメは食べられないように防御物質を作り始めます。さらに、リママメの出したSOS信号をチリカブリダニがキャッチして、餌の存在を察知します。このようにして、リママメはナミハダニの天敵であるチリカブリダニを誘引します。さらに、このSOSの香りはナミハダニの産卵制御、ナミハダニの分散の制御などにも効果を現します。この香りはオシメンやサルチル酸メチル、リナロールなどほとんどがテンペンです。キク科植物のガーベラにも全く同じ現象が見られます。このような例を見るたびに、動かず静かなものとしてみてきた植物が生き延びるため、 人の気づかないところで積極的な動的活動をして、外敵と戦い、自分のテリトリーを守っています。植物のこれらの行動には驚きを感じざるにはいられませんが、その原動力が香りです。
香りなどの抽出成分があればこそ、植物の種類によって臭いが異なり、耐久性に違いが現れ、花の色に違いが現れる。
もしも抽出成分が存在しなかったら、植物に色もなく、臭いもなく、皆同一になってしまっていることだろう。抽出成分は個々の植物種の存在を明確にし、他と区別するいわば植物の鍵物質であり、植物の科学的個体性の現れでもある。
このように、植物における香り成分をはじめとした抽出成分の働きが明らかになるにつれ、それらの成分がその植物自体だけの生き方に影響を与えるという従来の考え方に加え、その成分が植物体外に放出、または分泌されることにより、周囲の他の植物や動物が影響を受けるということが解かってきました。これらは、植物個体よりもさらに個体群としてや生物集団を念頭においた考え方が含まれていること、成分を放出する側と受ける側の両方が関わる相互的な考え方があると考えられます。
植物成分を介した植物と植物との反応、植物と微生物との反応、植物と昆虫や動物との反応など、植物と他の生き物との植物成分を介しての相互作用の見方が一般的になってきた。
このことは植物の目線で植物の生理作用を観察し、より自然に近い形で植物の行動を眺め、考えるようになってきたということでもあり、植物を動物と同様に動く視点で眺めるようになってきたということでもある。面白くもあり、大変興味深い。
何年か前に、ある家に植えられている植木たちが、お互いにお喋りしているという小説を読んだことがある。お借りした本で、大変興味深く読ませていただいたのだが、題名や著者は覚えていないのが残念でならない。その家に誕生した子どもの将来を案じて、植木同士が相談したり、植木たち自らの健康や性格を羨んだり、噂話をしたりと、当時はただの想像からの小説として読ませていただいたが、今になって、改めて納得してしまう。本当にありそうだ。小生の家の植物達は、どんな会話を交わしているのだろう。
小生の頭の中では、植物も、昆虫も、微生物も、人間も含めて、生物の境界が希薄になってきている。それぞれの個性を持った生物として、一括りにしても良さそうになってきている。これからの時代、植物とともに生きる共生の時代がやってくることを望みたい。
最近、生物多様性という言葉をよく聞かされる。生態系に含まれている、ある種が絶滅すると生態系の安定度が低下してしまうので、地球の複雑な生態系の崩壊に繋がり兼ねないと危惧されている。生物多様性の消失をもたらす要因は、人間活動によってもたらされる人口爆発、森林破壊、汚染(大気汚染・水質汚濁・土壌汚染)、および地球温暖化や気候変動がある。これらの要因は、累積しながら生物多様性に多大な打撃を与えていると言われている。単純に言えば、共生する相手がいなくなれば、自分の身も危ないということだ。地球全体の共生関係が崩れれば、我々人類のみならず、地球の危機に繋がるということだ。勿論、生物は現れては滅んでいくの繰り返しで、より優れた遺伝子を持った生物たちが生き残りを賭けての戦いをしてきた。進化できないものは滅びてきた訳だ。したがって、無理にすべての生命を守ろうというのでは無い。ただ、20世紀の晩年になって、あまりにも急速に生物の絶滅が起きていることに問題がある。これを、‘完新世大量絶滅’と呼ぶ学者もいるほどだ。多くの科学者が、正式に認知されていない数百万以上の種が危機にさらされていると見積もっている。これほど短い時間に、これほど多数の生物が危機にさらされた歴史は、地球誕生以来皆無だから、問題視されている訳だ。ヤンバルクイーナが可哀想、白熊がいなくなる、ベンガルトラやオラウータンの住む場所がない。などの個々の問題だけではないのです。人類に、他の生物との共生関係を続けていく気があるのか無いのかの大きな問題であると、小生は考えている次第です。
ユーカリのアレパシー効果については、お話しましたが、そのアレロパシー植物を利用した雑草防除の研究も進められている。雑草の生育を抑制する植物としては、ヒガンバナ、ハッカ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソバ、キビ、アワ、クローバ、ムクナ、アルファルファ、ヒマワリ、ソルガムなどが知られている。ハガンバナは、キク科の雑草の生育を強く阻害するが、イネ科に対しては作用が弱いので、田のあぜ道や、畑の端に古くから経験的に植えられている他、松葉で地表を覆い雑草防除、地温保持に利用されてきた。赤松の落葉や根の抽出物にイヌダテやキク科の生物の生育を阻害する成分を含むことが知られている。科学的に合成された農薬の過度の使用によって生じる残留農薬の環境汚染、健康阻害などが問題視されている中で、環境に優しい天然物の使用が注目されている。
香りの良い植物を愛するが故に、香りについて考えていたら、生物多様性の問題にまで及んでしまったが、植物の持つ素晴らしい香りを、私達の生活にどう活用したらよいでしょう。香りを含む抽出成分は人間にとって、どの効能を持っているのでしょうか?
植物成分の利用法には、大きく分けて2通りある。植物から採りだして利用する方法と植物を生きたまま利用する方法です。植物から採りだして利用する方法では、植物の有用成分を古来抽出や蒸留などで採り出し、香料、染料、薬などとして利用されてきました。
植物を生きたまま利用する方法というのは、相性の良い木を植えて成長を良くしたり、雑草の生育を制御する植物を植えて雑草防除に役立てる。害虫が嫌う成分を出す植物を植えて作物を育てるなどである。前者の方法は、人間の伐採や抽出などによって一方的に採取する利用法だが、後者の方法の場合は、植物の生き方、行動に合わせた生態系の中での利用法といえる。例えば、マメ科の植物であるムクナをトウモロコシなどのイネ科植物と混植すると、土壌の被覆効果の他、雑草の抑制効果が見られ、収穫も上がることが知られている。
植物の抽出成分の薬理作用には、
抗菌作用、抗ウィルス作用、抗酸化作用、抗炎症作用、抗ガン作用、殺虫作用、血管拡張作用、抗腫瘍作用、腫瘍の転移を抑制、血糖値を下げる作用、染色体異常制御作用、突然変異抑制作用、鎮痛作用、消化作用、健胃、鎮咳、消臭、抗敗血症、抗腫瘍、睡眠薬、傷薬、避妊薬、利尿作用、発汗作用、皮膚病薬、免疫系の活性化作用、抗ケイレン作用、・・・・・・・など。列挙に耐えない。
お茶(ハーブティー)として、お香、線香、体(主にコメカミなど)に直接つける塗香、
香水、芳香浴(アロマバス・や菖蒲湯などの全身浴、半身浴、手浴、足浴、湿式吸入法、etc)、湿布、アロマタオル、アロマピロー(枕やティッシュ、ハンカチなどに数敵精油を垂らして枕元に置くなど)、アロマ携帯ストラップ、キャリアオイルで希釈(1~5%)した精油を塗布してマッサージするアロマトリートメント、など。
また、医療行為としてのメディカルアロマセラピーとして日本でも普及されつつあります。精神の安定やリフレッシュを目的とした森林浴療法や、認知症の改善を目的とした医療行為も注目されています。フランスの文豪マルセル・ブルーストの代表作「失われた時を求めている」の作品が由来となって、“ブルースト効果”と呼ばれていますが、ある特定の匂いがそれにまつわる記憶や当時の感情を誘発する現象のことです。臭いの情報(記憶)は脳のあちこちに格納されていて、臭いの刺激によって、過去にあった「臭いと結びついた出来事」を即時に引き出す作用があると考えられます。また、記憶を思い出す回数が多いほど神経経路が強固になり、より正確に思い出すことができます。嗅覚は五感の中で唯一大脳新皮質を経由せず、直接記憶を司る海馬や情動を司る扁桃体に繋がる感覚です。臭いがヒトの記憶や情動に他の感覚より大きな影響を与えていることは確かだと言われています。こうして脳に直接作用する臭いの働きが解明されるにつれ、最近の研究では認知症患者が精油の臭いを嗅いで、認知機能を改善できることが解かってきました。認知症患者の多くは、早期から臭覚の衰えが見られます。脳の神経細胞胞(ニューロン)で数少ない再生されるもののひとつが臭神経です。どうやら、外部からの臭い刺激を与えると、脳の衰えた部分、あるいはその周囲に働きかけるようなのです。なぜなら、重度のアルツハイマー病患者では海馬の萎縮や神経細胞死が起こっていますが、こうした患者さんでも認知機能改善が見られるからです。このことから、臭い刺激が脳の神経細胞の活性化、さらには神経再生に結びつく可能性が期待され、研究が盛んになってきています。
香りって素晴らしい。植物って素晴らしい。自然って素晴らしい。Wonderful。
このように魅力あふれる植物を、お庭や、植木鉢で育てませんか。より身近に感じて、
より一層好きになることは間違いありません。我が家での共生の第一歩。ちょっと大袈裟ですか?
ミントやタイム、ラベンダー、ローズマリー、バラ、白丁花、ギンバイカ、レモンマートル、カモミール、そしてジャスミン・・・・・・・・。ゼラニュウムの仲間にもフルーツの香りのする種類がたくさんある。スズランの花も、小さい花だが部屋に数本あるだけで清らかで涼しげな甘い香りが上品だ。柑橘類の香りは、頭が冴えるような効果もあります。気持が安らいだり、リフレッシュできたり、爽やかな気分にしてくれたり、植物の香りは私たち人間に、たくさんの効能を与えてくれそうですね。
ガーデニングを趣味とする人への、ご褒美のひとつでしょうか。植物達からのお礼の意味の贈り物です。
ちょっと、貴方!
もう仕入れに行かれるんですか?ちょっと待ってください!
どんな植物を何処に植えるのが良いか、よく考えてからにしませんか?
小生もよくやってしまいますが、園芸店などで素敵な苗を見つけると、感激の余り、とりあえず直ぐに買ってしまいます。
家に連れて帰ってから、何処に植えよう?どうやって植えよう?と、場所やシーンに迷っているうちに、苗を弱らせてしまったりしがちです。計画的に植えてあげないと、植物達にも失礼です。何せ、植物達の命をお預かりするのですから。お好みの植物が数多く、乱雑に植えられているのをよく見かけますが、お好きなんだなあ!とは思いますが、いまひとつ、感激度には欠けるものがあります。
品種と、好ましい環境と、マチュアーサイズ(成長後の大きさ)、移植に適した季節や、花の時期、他の植物との相性(水の好きな植物の隣に乾燥が好きな植物を植えたりすると、・・・・・など)。そして、シーンを考えることが大切です。物語を想像するように。
お友達が、駅の方から歩いてくるでしょ。先ずは、我が家に近づくにしたがって、フワーッと清楚な香りでお迎えするように、道路沿いにジンチョウゲを植えるでしょ。入り口のインターホンの近くには、花も葉も綺麗で香りも良いマートルミルテを植えるでしょ。そこからリビングが丸見えになってしまうのは困るから、延長線上には、ミモザのパールアカシアを植えるでしょ。足元には、何時の季節も何かしら咲いているように、ロ-ズマリー(冬)、バイカウツギ(春)、チェリーロール(春)、ユリ(夏)、ニンジンボク(夏)、
アルテモシア(秋)、アリッサム・ニオイザクラ(秋)、・・・などといった具合に年間スケジュールも考える。香りはしないけど、クリスマスローズも冬の庭に素敵でしょ。日陰には、スズランを植えて。果実も欲しいから、レモンを此処に。リビングのソファーに座って庭を見れば、その視線の先にはスターマグノリアの別名を持つヒメコブシ。・・・など。色々なシーンを思い浮かべて(こんな時間もとても楽しい)、計画を立ててから、植物という命を仕入れに行かれてみては如何でしょう。買ってきたものを、どうしようと悩むより、何処にどんなものを植えようかと充分楽しんで、仕入れで楽しんで、植え込みで楽しんで、育てて楽しんで、花を楽しんで、香りで楽しんで、お友達を楽しませてと、何十倍も何百倍も、楽しめます。
先ずは、想像してみましょう。
ウキウキ気分ですね!
後記
疲れた時や、イライラしている時、植物の香りに助けられている日々です。お庭のお手入れで摘んだローズマリーの葉を、車のダッシュボードにちょっと置くだけで、一日の疲れも飛んでしまい、帰り道は爽やかな気分になります。でも、目には見えないこの香り成分は、一体何だろう。香りという分子なのか?波長なのか?そんな筈はないか。刺激を持つ色々な科学物質の分子か原子が、空気中に溶け出すということか?
小生の頼りない知識では、解らないことだらけ、はいだらけ。また、その見えない香り成分によって、気分が高揚したり、冷静になったり、疲れが取れるって、一体何なの?香水は匂い消しの意味合いが強かったと聞いているし、様々な宗教と香りは付き物、浴用に使われるのは納得、香を聞くという遊び「源氏香」は優雅だ、戦争に出かける夫の衣類にローズマリーを縫い込んだりもしたという。近年では、美容や医療の分野を初め、香りの効能を積極的に使ったりされているけど、科学的な裏づけという意味では、何処まで解明されているのだろう。
そんな疑問が基で、香りに関係する本を読み始め、難しい化学記号などは、見て見ぬふりをしながら、小生なりに少しまとめて、自らの資料としたものです。一部、引用箇所などもありますが、そんな訳で、ご容赦いただきたい。
小生といたしましては、これらの、素晴らしい香りを持つ植物たちが、さらに身近な生活の中に取り入れられ、ガーデンという場で、さらに愛されることを望んでいる次第です。
また、ご意見やご感想など、ございましたら、ご指導いただければ幸いと思います。
とても興味深く、勉強になりました書籍をここで、ご紹介・お礼とさせていただきます。
- 塩田清二 著「香りはなぜ脳に効くのか」NHK出版新書
- 森憲作 著「脳のなかの匂い地図」PHPサイエンス・ワールド新書
- 外崎肇一 著「においと香りの正体」青春出版社
- 日本園芸療法士協会編「心を癒す園芸療法」コロナ社
- 谷田貝光克 著「植物の香りと生物活性」フレグランスジャーナル社
- 千葉直樹 著「香りで痛みをやわらげる」フレグランスジャーナル社
- 川口健夫 著「香りで難病対策」フレグランスジャーナル社
- 井上重治 著「生きる力」フレグランスジャーナル社
- 青島 均 著「香りの科学はどこまで解明されたか」フレグランスジャーナル社
- 中村祥二 著「調香師の手帳」朝日文庫
- ルカ・トゥリ 著・山下篤子 訳「香りの愉しみ、匂いの秘密」河出書房新社
- 頭士智美 著「園芸療法からの贈りもの」愛育社
- マレー・ラインスター著・永井敦訳「ガス状生物ギズモ」創元SF文庫
- 市川寛利 著「シデコブシ先生の植物日記」文芸社
- 三枝敏郎 著「花の香り辞典」透土社
- 桐原春子 著「ヴェアリー夫人の香る庭」千草書房
- 広田靚子 著・広田尚敬 写真「フレグラントガーデン」文化出版局
- 吉田よし子 著・亀田龍吉 写真「香りの植物」山と渓谷社
- 萩尾エリ子 著「ハーブの図鑑」池田書店
- スティーブン・フォスター著・林サオダ 訳「エキナセア」フレグランスジャーナル社
- 小俣虎雄 編「ヤマユリ」農文協
- 竹田義 監修「ゆりを楽しむ」栃の葉書房
- 片桐義子 著「花療法」主婦と生活社
- 長島司 著「ハーブティー、その癒しのサイエンス」フレグランスジャーナル社
- グロッセ世津子 編著「園芸療法」日本地域社会研究所
- ヴィクトリア・ザック著・林真一郎 監修・大橋マキ 訳「ハーブティーバイブル」東京堂出版
- 吉長元孝、塩谷哲夫、近藤龍良 編「園芸療法のすすめ」創森社など。
香りの公園・博物館のご紹介。
静岡県磐田市には、「豊田香りの公園」があります。1haの香りの公園内には、キンモクセイ、ハーブなど香り豊かな植物が植えられており、園内では四季折々の香りが年間を通して楽しめるそうです。また、「香りの博物館」が隣接しています。香りの博物館では果実・花・ハーブなど香りの実体験や、嗅覚の仕組み、香りの歴史などを紹介している。藤の花をこよなく愛した熊野御前(平宗盛の妻)のふるさとである豊田町は、熊野御前にちなみ、町全体に香りが感じられる草木を植栽しており、「熊野の里・文化が薫るまちづくり事業」を推進している。館内では、世界の香水瓶や日本の香道具類など、香りに関する美術工芸品の数々を展示し、香りを体験していただける各種コーナーも充実しています。また、1階の「香りの体験コーナー」では、パソコンを使ってその人にもっともふさわしい香りを診断し、その結果をもとに世界にひとつしかない自分だけの香り創りを楽しめます。「香りのカフェテラス」では、隣接する香りの公園を眺めながら、明るく優しい光りに包まれて、くつろぎのひとときをお楽しみいただけます。磐田市香りの博物館は、五感を使って楽しみながら香り文化に触れることができる参加体験型の博物館です。パルファン・フォーレ(フランス語で「香り・森」を意味する言葉)を愛称とし、“香り”をテーマとする世界でも珍しい博物館です。小生は、まだ行ったことが無いので、是非とも、季節を選んで訪れてみたい。
次から次へと、色々な情報が飛び込んでくる。毎日が新鮮で、楽しい。また、新たに、フレグランスジャーナル社の「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」と「花の香りの秘密〈遺伝子情報から機能性まで〉」の2冊を注文したところです。